会社員であるタクシー乗務員は、毎年の税金の手続きを年末調整だけで終えられると思われがちです。しかし、働き方の多様化による副業収入の増加や、身体のケアに伴う医療費など、状況によっては自身で税務署への申告が求められます。自分の収入状況と照らし合わせながら、必要な手続きの流れや注意点を確認していきましょう。
法人タクシー会社に雇用されているタクシードライバーの場合、原則として毎月の給与から税金が天引きされ、年末調整によって1年間の所得税の精算が完了します。そのため、基本的には自身で確定申告を行う必要はありません。
しかし、以下のケースに該当する場合は、年末調整の対象外となるため確定申告が必要です。
なお、年間の給与収入が2,000万円を超える場合も申告が義務付けられていますが、法人タクシードライバーの給与体系においては比較的稀なケースといえるでしょう。
確定申告を行う際は、必要な書類を漏れなく準備することが大切です。主に「確定申告書(第一表・第二表)」「勤務先から発行された源泉徴収票」、そして医療費などの「各種控除の証明書類」を手元に揃えます。
申告書第一表を記入する際のポイントは以下の通りです。
書類の提出方法は、スマートフォンやパソコンから行う「e-Tax」、税務署への「書面郵送」、または「税務署窓口」への直接提出の3種類があります。提出期限は原則として翌年の3月15日までです。なお、e-Taxを利用する場合は、事前にマイナンバーカードを準備しておくとスムーズに申告作業を進められます。
税金の手続きにおいて、いくつか注意すべき落とし穴があります。
まず、ふるさと納税の「ワンストップ特例制度」を利用している場合、確定申告を行うと特例が無効になってしまいます。そのため、確定申告書を作成する際に、改めてふるさと納税の寄付金額を申告し直す必要がある点に注意してください。
また、医療費控除は見落としがちですが、長時間運転による腰痛や肩こりの治療のための通院費用も、一定の条件を満たせば控除の対象になりえます。領収書は捨てずに保管しておきましょう。
もし申告が必要なのに忘れてしまったり、金額を少なく申告してしまったりした場合には、過少申告加算税(10〜15%)や無申告加算税、さらに延滞税といったペナルティが課されるリスクがあります。
なお、インボイス制度については、法人ドライバーとしての業務には直接影響しません。ただし、副業として個人で事業を営んでいる場合には、登録の必要性を判断する必要があります。
葛飾区にお住まいの方、または区内の営業所で勤務しているタクシードライバーの管轄は「葛飾税務署」となります。
所在地は葛飾区立石8丁目31番6号で、京成線の立石駅または青砥駅から徒歩約10分というアクセスのしやすい場所にあります。
確定申告の時期になると、税務署内や特設会場にて申告書作成会場が設けられ、無料相談も実施されます。税金の計算や申告方法について一人で悩みを抱え込まず、直接窓口で質問して解決するのが安心です。
ここまで、法人タクシードライバーが確定申告をすべき条件や手続きの流れを見てきました。毎年年末調整だけで済んでいると思い込まず、ご自身の副業収入や年間の医療費などを振り返り、申告の必要がないか改めて状況を確認してみてください。
もし判断に迷うことや書き方に不安がある場合は、前述した税務署の無料相談窓口を利用するか、専門家である税理士へ相談することをおすすめします。
次のアクションとして、まずは会社から配られる源泉徴収票と、控除に必要となる証明書類を一つのファイルにまとめて手元に揃えるところから始めてみましょう。